政府はNTTにドコモを買収させ何を狙っているのか

親愛なるActive Galactic兄さんの疑問です.原則まったくそのとおりで,財・サービスの個別価格を下げたいなら補助金を出すのが筋です.しかし菅さんが主張していたのは,「携帯電話料金を安くしたい」もさることながら,その理由を問うてみれば「各社儲けすぎ」ということでした.これは換言すれば寡占市場,不完全競争市場での超過利潤の発生をなんとかしたいということです.「儲けすぎている」移動通信会社に補助金を出すのは政治的にも不可能です.

NTTは,財務大臣が30%超の株式を保有して,筆頭株主になっており,実質政府の意志によるコントロール下にあります.

AG兄さんへの私の返信です.

タイトルの答えは,「寡占市場に公共が一社入って超過利潤を減らし料金を下げる」方向の政策意図ではないかということです.(たとえば,港湾関係のサービス料金について公共企業がある場合とない場合について超過利潤を計測し公共が十分に全体の超過利潤の削減を達成し,全体の料金を下げられるというような実証ペーパーがどっかにあったと思うのですが,誰か見つけてきてください.)超過利潤の発生は,マクロでみれば,じつは資本家も労働者も損をします.直截的に利益が減るのと,超過利潤を発生させている主体は,企業だけではなく,個人,不動産,株式会社以外の資本と多岐に渡るので,投資家として相対的な競争上,超過利潤削減にも反対する人が多いのではないでしょうか.私もいま,KDDIやソフトバンクの株主だったらいやだなと思います.しかし,なんでも民営化する政治勢力のおかげで,儲けた人も多いのですが,経済的な全体のペイオフはもしかしたら下がったかもしれません.

ここでもっと政府がガバナンスを効かせるベンチマーク的な一案を考えてみます.電波,通信を完全国営化し,固定回線もあわせて使いたい放題高速なプランのみを政府が無料で国民に提供するのです.多重設備投資も避けられます.スマホも機種はiPhoneを,アップルから最新モデルを政府が一括で買い上げます.高い交渉力で安く買えるでしょう.5G以降のミリ波設備なら,設備量さえ増やせば多数が大容量つなぐことも問題ないでしょう.現在の価格を参考にするに,一人月1万円程度のコストでしょうか,多く見積もってもぜんぶでGDPの2%ぐらいですむのではないでしょうか.問題点はいろいろあるので考えてみてください.

ところで,いまやスマホはJアラートや生活の購買などに,国民の生活,生命財産を守るためにも必要不可欠なものになりました.スマホもタダで国民に配るべきでしょう.それか負担を減らすべく補助金を出すべきです.5グラムのマイナンバーカードを配るのが許容されるのなら,200グラムのコンピューターを配ってもいいんではないでしょうか.(配るならちゃんとしたスペックなのを配って欲しいと思います.電車に乗っても誰も使っていない給食マスクをご記憶でしょうか.)地方自治体でスマホを配っているところもあるので,動向に注目しています.

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