こんな場末のブログで時事ネタをやってもどうかと思いますが,なるべくグーグル検索ができて初級の教科書を読める程度の一般人向けに分かりやすく意義と思うものや,私と親しくて好意で私の記事に付き合ってくれる人たちに,今年の経済学賞の背景を伝えたりしたいと思います.
でましたね,ノーベル経済学賞.「ぼく言いましたよね」,をさせてもらえばマクロやマネタリーポリシー関連「ではない」のではないかというツイートをしていたので,そのとおりになったと思います.私はベン・バーナンキさんが,あの不況の原因であったり長引かせた張本人であると思っているので,現時点では受賞はありえないと考えています.(将来もないのではないかまで言うのは失礼なのでこれぐらいにしておきます)
とくに,NGDPと期待が大事なマーケットマネタリスト的な見方として言えば,「ウイルスがいて外に人が出たくないのにお金を使わせることはできないので」,マネタリーレジームとしてずっと必要な概念も,現時点では最もhelplessと見ることができます.それで,その問題に注目するのは,コロナ禍であった今年ではないだろうという判断です.(でも重要な問題なので,実地では徐々に対応が進んでいます.)
これから,ワクチンや医療資源を世界に公平かつより効率的に資源配分しなくてはなりません,その考える基点としてもオークション理論に注目されるのは良いことではないでしょうか.私が政府の役割が注目されると言った部分の表裏一体の表の部分とでも言えると思います.
いま経済学で”成果”を出した先生方や,ノーベル賞を受賞した人々には市場の不完全や人の不合理性についての理論で名が売れた人が多くいます.セイラーのナッジであったりカーネマンであったり,スティグリッツであったり,クルーグマンも一部そうです.ノーベル賞はとっていない人でも,名前をあげればきりがありませんが,バグワティなどもそうでしょう.彼らの知的貢献は素晴らしいものだと思いますが,結局,でてきた政策はナッジであったり,行動経済学的な発想に基づいた”非合理性”を所与とした政策であったり,まるで人を赤子のように扱う,人が自由でいるのがよくないというような風潮です.
しかし,オークション理論については,むしろ合理性に基づいて,そういう不完全性をできるだけ排除してうまく市場を利用していこうという前向きなものになりうるので,市場が大好きなリベラリストも評価できるのではないでしょうか.選定理由に,そんな配慮や上記批判に応えた背景もあったかもしれません.
また,オークション制といえば株です.非常にオークションとしては理想的な状況なのに,本当にいろいろあるので,データも取れることだし,さらに研究注目されたり,また資産価格についての研究がノーベル賞候補になったりしていくのではないでしょうか.
追補訂正などあるかもしれませんが,私からは以上です.
PS.ところで実際の企業の取引ではオークションは主流ではありません.中小企業や個人商店が競争的な入札で資材を仕入れていますか.むしろ長期的なしがらみや泥々の人間関係と恩の売りあいなどで,まあこのへんかというところで値段が決まっていることが多くないでしょうか.経済とは人と人との営みのことです,HFTが跋扈するような公正公平の前提が満たされていないようなオークションの世界ではありません.国際的に,この理論がフォーカスされる裏と表もあるのではないでしょうか.